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記事は・・

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■ 勝ち上がる「弱小校」は何をしているのか

 今年正月の箱根駅伝はアオガクがさわやかな風を吹き込み、初優勝を成し遂げた。11月の全日本大学駅伝は東洋大学が見事な“駅伝力”を発揮して、V候補の青山学院大学を撃破。初の栄冠に輝いている。

 この数年間の学生駅伝は、青山学院大学、東洋大学、駒澤大学、早稲田大学、明治大学が「5強」ともいうべき存在で、ほとんどのレースで上位を占めてきた。青山学院大学、早稲田大学、明治大学は高校生に人気のブランド校。この5年間で数々のタイトルを獲得してきた東洋大学と駒澤大学には、上昇志向の高い選手が入学している。

 各大学はスポーツ推薦枠(10人前後)が決まっており、箱根駅伝の出場を現実的に狙えるレベルの大学は30校ほど。単純計算で1学年約300人の高校生ランナーが「箱根」を目指して関東の大学に集まることになる。プロ野球のようにドラフト制度があるわけではなく、人気大学に有力選手が集中する傾向が強い。当然のように、そこには“格差”が生まれている。

 現在の4年生の「入学時5000m上位5人の平均タイム」は、青山学院大学、明治大学、東洋大学、東海大学、駒澤大学がベスト5だった。ちなみにトップ青山学院大学の平均タイムは14分10秒14というハイレベルだ。

 しかし、箱根駅伝では高校時代に実績のない弱小軍団が上位に食い込むこともある。今回、クローズアップするのは、現在4年生の「入学時5000m上位5人の平均タイム」が17位(14分34秒98)だった中央学院大学と、同22位(14分56秒21)だった拓殖大学だ。両校はいずれも来年正月の箱根駅伝で“上位”の期待が高まっているチーム。そこでこの2校の指揮官から「弱者のマネジメント」を学んでいきたい。

 20年前、「中央学院大学」を知っている人がどれぐらいいただろうか。ノンブランド校を率いて、箱根駅伝で毎年のようにシード権争いに加わってきたのが、中央学院大学・川崎勇二監督だ。現在、13年以上連続で箱根駅伝に出場しているのは、東洋大学、駒澤大学、日本体育大学、早稲田大学、山梨学院大学、中央大学、そして中央学院大学の7チームしかない。

■ 箱根駅伝の優勝は目指さない

 川崎監督のスゴイところは、「割り切った指導」ができることだろう。「箱根駅伝の優勝より、ひとりでも多くの実業団選手を育てたいんです」。ここまでキッパリと言い切れる指導者はいない。川崎監督のマネジメントは、箱根常連校の中で特異な性質を持っている。

 「箱根で勝つことを考えると、やっぱり無理があると思うんですよ。まずは選手に負担をかけるということ。それなりにポテンシャルの高い選手を勧誘しないといけないという、自分自身のストレスもあります。これは、『逃げ』になるかもしれませんけど、大学で優勝できなくても、ひとりでも多く実業団に行って活躍してもらいたいと思っています。

 選手たちには、『大学で燃え尽きたいなら、私の練習では絶対に無理だから、自分で上乗せしなさい』と言っています。同時に、実業団に行きたい選手には、大学でやっていることを継続できれば、実業団でも必ず通用するからという話もしているんです」

 箱根駅伝の優勝を目指すのではなく、将来のために選手を強化していく過程で、タイミングが合えば勝つこともあると川崎監督は考えているのだ。

 トレーニング量が少ない分、別のアプローチで選手たちを強化している。それは「ランニングフォームの指導」だ。箱根駅伝の常連校ともなると、基本的に速い選手ばかりということもあり、フォームを細かく指導するチームは少ない。

 「効率のよいランニングフォームの習得と、効率のよい練習をするのが私のやり方です。フォームについては動画撮影をしますし、一人ひとり具体的にアドバイスしています」と川崎監督。

 選手勧誘の“視点”もほかの大学と大きく異なる。たとえば、現在4年生の潰滝大記は、高校時代、粗削りなフォームで、3年生の春まで目立つような活躍はしていなかった。しかし、その走りを見たときに川崎監督は大きな可能性を感じたという。

 「走り自体はよくなかったのに強かった。フォームを修正すればもっと強くなるぞと思いましたね。私の勧誘はそういうところなんですよ。完成品よりも、指導したいと思う選手に声をかけています」

潰滝は今季トラックシーズンで大活躍。日本選手権の3000m障害を制すと、夏にはユニバーシアードの代表として、5000mと1万mに出場している。川崎監督は、スカウティングのポイントが明確なだけでなく、選手へのアタックも素早い。特に高校1年生をチェックして、「君は強くなるよ」と声をかけているという。反対にどの大学も欲しがるトップ選手には、「声をかけるだけムダなので、余計なことはしません」と勧誘合戦には加わらない。

 そして、ある程度の実力がついた選手には、オリジナルの練習メニューを提供している。「当然、全員でやる練習もあるんですけど、ウチはオーダーメードの練習が多いんですよ。それぞれの考え方や個性がありますから、そのあたりはうまく使い分けているつもりです」と川崎監督は話す。だからこそ、潰滝のように学生長距離界を代表するようなエースも誕生しているのだ。

■ 「8区」に懸ける理由

 箱根駅伝の戦術でいうと、中央学院大学は「8区」に必ず強い選手を起用してきた。過去2回、8区で区間賞を獲得しており、この3年間も区間8位、3位、8位と安定した成績を残している。この理由については、

 「8区はほかの大学が軽視している区間なので、差をつけるとしたらそこしかない。なおかつ8区は後半に遊行寺の上り坂があるので、バテると大差がつくんですよ。稼ぎたいという思いと、リスクを最小限にしたいという思いから8区をポイントにしています」

 と説明する。少ない戦力でいかに効率よく戦うのか。他大学と比べると、一見、アンバランスな区間配置こそが、川崎監督が”勝つ”ために考え抜いた独自の戦略だった。

 今年の中央学院大学はエース潰滝を軸に戦力が充実。8区にも「秘密兵器」を起用する予定だという。チームは「5位以内」を目標に掲げており、ジャイアントキリングが見られるかもしれない。

 大物食いで注目される学校がもうひとつある。第82回大会(2006年)で箱根ファンを沸かせた亜細亜大学だ。

 有力校にハプニングが発生して、優勝ラインが下がったこともあり、独自の「堅実駅伝」で総合優勝をさらった。当時の亜細亜大学は1万mの平均タイムが9位。この年度は出雲が8位、全日本は11位という成績だっただけに、その快挙には誰もが驚かされた。

 雑草軍団だった亜細亜大学を箱根駅伝で勝たせるマジックを見せたのが、岡田正裕監督(現・拓殖大学監督)だ。高校時代、インターハイを経験した選手がほとんどいないチームが箱根を制すことができたのは、「箱根駅伝」だけを考えて強化してきた結果だった。

 岡田監督の指導は独特で、すでにスピード化がトレンドになりつつあった箱根駅伝で、マラソン練習のような距離を徹底的に踏むハードな練習を慣行。高校時代に実績がなかった選手たちに“魔法”をかけたのだ。

■ 「自主性に任せるのは無責任」と言い切る岡田監督

 亜細亜大学を“卒業”した岡田監督は、女子実業団チームの指導者を経て、2010年春に拓殖大学の指揮官に就任する。そして、低迷していたチームを1年で立て直すと、初年度の箱根駅伝で最高順位タイの7位に導いた。

 拓殖大学でも亜細亜大学時代と同じように、距離からのアプローチで箱根駅伝を目指している。岡田監督のトレーニングで象徴されるのが、毎年8月に行われる阿蘇合宿だろう。選手の間からは、「地獄の阿蘇合宿」と呼ばれるほどハードな日々が続く。

 「亜細亜大学時代に1日平均で40kmをノルマにするようになって、徐々に結果が出だしたんです。だから、阿蘇は20日間で800km以上走りますよ。多い日は、朝練習で40km走をやって、午後に60分ジョッグで10km以上は走るので、1日で50kmを超えますね。選手は大変ですけど、20日間の合宿で自信をつけることができるんです」

 合宿中は亜細亜大学が優勝したときの練習メニューを張り出して、その右側に、実際に行ったメニューを書き込んでいく。「だいたい5日おきにミーティングをして、優勝したときの練習をクリアしているぞ、ということを選手の目で確認させます。こういう実績やデータを蓄積して活用することは、選手育成にも役立ちますね」と岡田監督は話す。消化具合を比較することで、選手たちに自信をつけさせていくのだ。

 岡田監督のマネジメント術でいうと、選手指導を徹底するのが特徴だ。「自主性でやらせています、というのは、今どきの選手が飛びつきそうな言葉ですよ。しかし、自主性ほど無責任なことはないと私は思っています。選手たちには、私の指導を受けるなら100%指導に従ってもらうように言っています。選手たちを徹底指導することが、私にとって責任ある指導法だと思っていますから」と岡田監督。選手たちをしっかりと管理することで、“雑草軍団”を「戦う組織」に変えていった。

 今年7月に70歳を迎えた岡田監督だが、箱根への情熱は少しも衰えていない。そして、「長い距離をしっかり走る努力をすれば、箱根駅伝で勝てる可能性はあると思っています。これが、距離の短い出雲や全日本では難しい。選手の素質で走れてしまう部分が大きいので、拓殖大学の選手では勝てません。でも、箱根だけは勝てる要素があるんですよ」と胸を張る。しかも、今年の拓殖大学は岡田監督が就任以来「過去最高のチーム」だという。正月の箱根駅伝では、どんな戦いを見せてくれるのか。

 高校時代に活躍できなかった選手が大学でその才能を開花させることもある。その陰には、指揮官たちの熱い情熱と組織にフィットしたマネジメント術があるのだ。

 

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へええ?なるほどねえ^^;

正月 見る視点が少し変わったかな?^^;

皆さんも注目点を少しずらして見てみてくださいね^^;

 


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銀杏並木の路肩から・・

温泉観光都市愛媛県松山市在住の夜専門タクシ-ドライバ-の日記です(笑)☆ 色んな事のボヤキ満載?かも・・